唄三線のある日常。        愛器「二つ星小」          (たーちぶしぐゎー)。         


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酔狂歌人、大阪へ行く。①

<新幹線>

3月19日、午前8時。
私は東京駅新幹線のプラットホーム上にいた。
大阪へ向かうべく、新幹線を待つ。

新幹線なんて、何年ぶりだろうか。
私事だが、私の生まれ故郷は愛知県の西尾市というところである。
小さい頃から、中学生の頃くらいまでは
両親と共に、新幹線に乗って祖父祖母に会いに
年二回名古屋まで行っていた。

まだ小さい頃、年二回の新幹線は
またとない私の楽しみだった。

自動車の免許を取ってからは
愛知に行くにも車で行くようになったので
新幹線などはずいぶんご無沙汰である。
心は童心に返り、なんだかわくわくする。

駅弁は入手済みだ。
これは旅には欠かせない。
これを食べるために、私は朝食を食べなかった。

と、ホームに新幹線が滑り込んでくる。
「!!」。なんだ?このカモノハシみたいな先頭は!
「昔の新幹線の方が良かったなぁ」
などと思いながら、乗り込む。
ちなみに、私が子供の頃は
新幹線の中に独特の紙コップを使用する水のみ場(?)があったり、
旅らしいプラスチック容器のお茶が売られていたりした。
さらに、強烈に硬くて木のスプーンが必ず破壊されるアイスクリームが
私は大好きだった。

新幹線が発車するまでお弁当には手をつけない。
これは私の子供の頃からのこだわりである。
列車が走り出してから、車窓を眺めながら食べると美味しい。

浜松を過ぎ、見慣れた光景が車窓に広がる。
工場の看板だろうか。「六ッ美」の文字が。
「むつみ?ということは岡崎か。(愛知県岡崎市)」
などと考える。
「お!矢作川を通過。」
「お、あれは八面山(やつおもてやま)」(愛知県西尾市)
などと、故郷の風景を眺める。が、あっという間に高速で後ろに過ぎ去る。

ほどなく新幹線は「名古屋」に到着。
私は急にそわそわしだした。
今までの私の人生では「新幹線での目的地」といえば
この「名古屋」である。しかも故郷。
ここを素通りするのは、なんだか落ち着かない。
しかし今回の目的地は「新大阪」である。

見慣れない光景を見ながら京都を過ぎて
「東寺はやはり良いよな」なんて考えていたら
程なく新大阪へ到着した。雨が降っていた。
周りには関西弁の嵐。やはり東京とは違う。


<再会>

「野田駅」
漆畑さんが待ち合わせに指定してくださった駅である。
私が「大阪の三味線店も見てみたいです」と申し出たことから
三味線店の最寄り駅まで車で迎えに来てくださった。恐縮である。
しかし、私は大阪の地理を知らない。
無責任にも、あまり調べることもしない。
どこか知らない土地へ行くときには、いつも人に尋ねながら行動する。
今回もその方法は功を奏した。

「あのすみません、大阪駅へは…」
「あぁ、その階段下りて電車で一駅でっせ」

「あのすみません、野田駅へは…」
「あぁ、あのホームから2駅目」

こんな調子で乗り継ぎも順調。
ほどなく野田駅に到着。
改札口には懐かしい顔が、
漆畑さんとの9ヶ月ぶりに再会である。

この後は野田駅の近くのお店でお昼にした。
食事をしながら、6月の三味線店めぐりの回想や
今、私が使っている三味線の話。
「いや~、それにしてもよくこの三線の棹が見つかりましたねぇ。
照喜名さんは忘れてたんですか?この棹を荒削りしたのを。」
「えぇ。忘れていたらしいですよ。
私が何か無いですか。と言ったので、そういう棹を探している最中に思い出したらしいです。」
「はは。作っている本人が寝かせている棹の存在を忘れるというのもすごいですね。」
その他の三味線店のお話なども。
とても楽しく、話が尽きない。


<三味線店めぐり① 三味線の店 佐々忠>

野田駅から程近いところに、そのお店はあった。
看板の様子が少し変だ。というのは漆畑さんが教えてくださった。
ここのお店の店主は、元々建築関係のお仕事をされていたそうだ。(今もかな?)
その事務所の隣が、三味線店。なので工務店の看板と三味線店の看板が
合わさったような形をしている。

お店の中へお邪魔する。
お店の中には、女性がお一人。
店主は今はいないらしい、ということは店主からはお話はうかがえないかも。
漆畑さんは地元の人なので
何度か来店されているのだろう、お店の方とお話をされている。
私は店内を見回し、天井からさげられた棹やお店ののガラスケースの中の
三線を見てまわる。

奥のガラスケースには、三線を作った職人さんの名前があった。
私も聞き覚えのある名前だ。
那覇の国際通り至近の安里の三味線店「仲嶺三味線店」。
そこの店主のお父さんが浦添市で同じく「仲嶺三味線店」を営まれているそうだ。
その「お父さんの方の三味線店」の作品が置かれていた。
お父さんのお店には、6月には時間の都合で行けなかったので
ここ、大阪で見ることが出来て光栄である。
真壁型数挺と、知念大工一本。
キリッとしたきれいな三味線だった。
息子さんの作られた知念大工は、6月に那覇で見せていただいた。
その知念大工の形を一生懸命頭の中で思い出して、比べてみる。
う~ん、やはり親子とはいえ違う人が作るとなんとなく違うなぁ。
などと思った。

余談だが、この「仲嶺さん」。
私は一度電話でお父さんの方に問い合わせをしている。
そのとき、私があまりにかしこまりすぎた「営業風トーク」だったためか
「お忙しいところすみません。仲嶺さんでいらっしゃいますか」
と言ったとたんに、電話営業と勘違いされたらしく、いきなり
「そういうのはいらん!!」と(実際には、方言で)怒られて電話を切られてしまった。
誤解の無いように付け加えるが
その後、またすぐに電話をかけて事情を説明すると
勘違いを謝して頂いたうえ、とても丁寧に教えてくださった。
「沖縄に来る前に、また電話くれれば木を用意しておくよ」
とまで言ってくださったお優しい方である。

この話を昨年の6月に那覇のお店で息子さんの方と、
そのお店でお仕事をされていらっしゃる
お若い職人さんに笑いのネタとしてお話させていただくと、大爆笑であった。
お二人とも「やりそうやりそう!!」と、大喜びしてくださった。
「笑いすぎて、腹がよじれるよ」と、板敷きの作業場で大笑い。である。
「そういう天然な所もあるんですが、良い親父なんですよ。勘弁してやってください」
と父のフォローをされるこの息子さんも、本当に優しくて良い人なのだ。

おっと、佐々忠さんのお話である。
ガラスケースの中だけでなく、天井から吊るされた棹も
見せていただいた。

私が沖縄の三味線店を見てまわったのが去年の6月。
この時点では「三線を探している」という状態であったので
見るだけではなかなか分らないところもあった。(今も大して変わらないが…)

今は自分の三線を手に入れて数ヶ月が経った。
その自分の三線がある意味「自分の中での基準」にもなってきている。
こういう状態になると、少しは他の三線を見る目も変わるようだ。
お店の中で色々見せていただき(手には取らなかった。)
木の色や形を見る。楽しい。

漆畑さんからこんなお話をうかがった。
「このお店では、唄三線の会(練習)をする場所があるんです。
ここで集まって皆さん練習をされると。こういうわけでして」

三味線店として三味線を販売するだけではなくて
「唄三線をする場所」「唄三線を愛好される方のコミュニティーの場」
として大きく機能しているところが素晴らしい。
こういうお店があると、地元の唄三線愛好者としてはありがたいところだろう。
店主にはお会いできなかったので、細かな会や組織のシステムは知らないが
お店のこういう「場を提供する精神」が素晴らしいと思った。

漆畑さんと私とが店内を見ている間に女性がお一人。
何やらお店のカウンターで用紙に記入されている。
「コンクールですか。がんばってください、合格をお祈りいたします。」
漆畑さんがその女性に声を掛けていらっしゃった。
お優しい方である。
この女性はお店で行われる会の練習生の方であろうか。
お店でコンクールの申し込みも受け付けているらしい。

埼玉にも、こういうお店があると最高だなぁ。
などと思いつつ、お礼を言ってお店を後にした。



                             「酔狂歌人、大阪へ行く②」に続く
by niraikanai76 | 2006-03-20 21:42 | 唄三線