唄三線のある日常。        愛器「二つ星小」          (たーちぶしぐゎー)。         


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三味線店めぐり⑨上原三味線店(本部町)アゲイン

国際通りを出て、車を北へ走らせます。
名護で夕食をとり、恩納村に到着して解散…。となるはずでしたが
名護に着いたのは、夕方の5時でした。
今から夕食をとるのは…、少し早いです。

<備瀬のフクギ並木>

「備瀬へは行かれましたか?」
漆畑さんが私にたずねます。
「いいえ。行っていません。行ってみたいです」
ということになり、有名なフクギ並木を見学です。

曇っている夕方、鬱蒼とした雰囲気です。神秘的です。
時間が逆行しているような場所だと感じました。

漆畑さんが、民家の庭に生えている木を指差して
「ほら、あれ。黒木ですよ。でもあの太さじゃ、三味線はできませんでしょうけれど」
と教えてくださいました。
三線を楽しむ人は、黒木の棹に憧れます。
でも、そんな黒木もこんなふうに普通に生えているものなんですね。
山に自生しているものでも伐採禁止のようですが。

海の方にも出てみました。
波が高いですが、釣りをしている人が一人。
私は足元の護岸を見て
「この船を降ろすスロープの際に投げると、釣れそうですね」
と言いました。
漆畑さんも私も、釣り好きなのです。

でもこの日は相当濁りがきつかったですし、海も荒れていましたので
なかなか難しいでしょう。釣りにならないかもしれません。

<再訪>

備瀬は本部町です。
せっかく本部まで来ているので…
ということで、日曜はお休みのはずの「上原三味線店」に
行ってみましょう。ということになりました。
上原さんの所へは、私は妻と一度来ています。
この時に、すっかり店主のファンになってしまった私は
時間を作ってもう一度行きたい。と考えていたのです。

漆畑さんによれば
「日曜はお休みのはずなんですが、店主の家屋兼店舗ですので。
もしかしたら、いらっしゃるかもしれません。」とのこと。
もちろん、行ってみることにしました。

車でお店の前に行くと…
なんとテレビが付いています。電気もついていました。
「いらっしゃるんじゃないですか!?」と大喜びし
本部町役場に車を止めて、早歩きです。

ガラス戸越しにのぞいていたら、店主が迎えてくれました。

「あい、久しぶり。いつ来たんですか」と漆畑さんに挨拶されています。
「おぉ、あんたも一緒に来たんだね。」と私にも声を掛けてくださいました。
上原さん、かっこいい「かりゆしウェア」を着ていました。
「父の日だから、家族で食事してきて。さっき戻った」そうです。

運が良すぎです。漆畑さんと2人で大喜びです。

三線の塗りの話になりました。
沖縄の三線の塗りは、つい最近まで1つのお店がそのほとんどを担っていたそうです。
でも、消費者の側や三味線店が求めた結果でしょうか。
今では、塗りにも色々なニーズが出てきて
塗りをするお店も増えてきたそうです。

また改めて三線の値段を聞いてみました。
良心的な値段です。

「上原さん、なーくにーを聞かせてください。
今日は、もう夜ですから」漆畑さんが上原さんにお願いしています。
何で夜が関係するのか…このときはわかりませんでした。
店主は黙って三線を三線を手に取り、ちんだみをして
唄持ちを弾き始めます。
漆畑さんが、別の三線を手にとって店主に続いて弾いています。
上原さんの「なーくにー」
音の強弱に微妙な表現があり、年季の入った技です。
じっと店主の左手を見ていました。
棹に粘りつくように、滑らかにトゥーイの上を指が滑ります。

「本部の人が歌う、なーくにーですよ」
漆畑さんは、店主の唄に感銘を受けたように私に言います。
「最高です。かっこいいです。」
私は感動していました。
今まで唄三線をやっていながら、沖縄の人が生で唄三線をする姿を
多分はじめて見ました。

もう、何十年も唄ってこられたのでしょうね。
熟練の技です。「上原さん。なーくにーは、おいくつの頃から歌われているんですか」
こんなことを質問してみました。
「うーん…。お父さんが好きだったから、いつからかはわからないけど
相当昔から、耳には入っていたよ」

自分が「いつその唄を初めて耳にしたのかわからない」ほど
上原さんの日常にはいつも「なーくにー」があったんだ。と解釈しました。
すごいことですよね。食事をするかのような何気ない様子で、なーくにーを。
あんなに味のあるなーくにーを上原さんは演奏していました。

「この唄がすきでね」
と続いて新デンサー節を店主が弾き始めました。
工工四が店主の前に置いてあります。
漆畑さんは持っていた三線を私にすすめて
店主の横へ行くように言いました。

店主の横で、一緒に三線を弾きはじめます。
漆畑さんは手拍子を打っています。
さわる程度にしか聞いていない曲だったので
私は何とか付いていくのが精一杯でした。
私のは、ぜんぜんまともな演奏ではありませんでしたが
店主の横で弾けたことが、とてもうれしかったです。

店主の意表をつくような時間に訪問してしまったので
この楽しい遊びのあと、お礼を言って店を出ました。

「新デンサー節、今度来るときはちゃんと練習しておきますから
そのときは、またお願いします。ありがとうございました。」

<恩納村への帰路>

恩納村へ戻る車中、私は店主の「なーくにー」の話ばかりしていたと思います。
それほど、感動してしまいました。

「以前、上原さんのなーくにーが聞きたくてお願いしたときは…」
と漆畑さんが切り出します。
「日中の訪問だったので、明るいうちは三線は弾かないよ~。と
逃げられてしまいました。」と教えてくれました。

あんなに魅力的な「なーくにー」を演奏する上原さん。
いろんな三味線店を訪問すればするほど
それぞれの店主の魅力がどんどん出てきます。

三味線店を回れば回るほど、いろんな店主のいろんな魅力に気づきます。
そのことが、三線購入にすぐに踏み切れない要因でもあります。
変な話ですが、店主とはあまり話をせずに
サーッとお店を回って、三線だけを見比べれば
「楽器としては」すぐに選べるはずです。

そうではなく
「伝統工芸品を作る職人さんから、楽器である三線という
沖縄の工芸品を買う」
となると、難しいです。

明日は漆畑さんとの「三味線店めぐり」も
いよいよ最終日を迎えます。

漆黒の沖縄の夜の森を左手に見ながら
自分の三味線について考えていました。
by niraikanai76 | 2005-12-15 20:45 | 沖縄新婚旅行(三線探しの旅)