唄三線のある日常。        愛器「二つ星小」          (たーちぶしぐゎー)。         


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何ですか、これは。

「サン」
というものをご存知だろうか。
先日、神戸の沖縄物産店で
これが売られていた。

これを見たとき、
純粋に私は「何だろう、これは」
と思った。
ビニール袋に、なんだか「わら」のようなものが
数本、縛られて入れられていた。
袋には、たしか「サンギ」と書かれていた。

「何ですか、これは?」
と、同行してくださった漆畑さんにお聞きした。
「私はこれがお土産として売られているのを初めて見たときには、驚きました。」
とおっしゃる。
続けて「サンギ」について簡単に説明してくださった。

詳しく知りたくて、自宅に帰ってから


オキナワなんでも事典
池澤 夏樹 / 新潮社
スコア選択: ★★★★



で調べてみた。
なるほど「お土産として売られていて、驚いた」
というその理由が良く分った。

「サン」「サンギ」。久高島では「サイ」。宮古島の宮国では「マータ」
などと呼ばれているようだ。
私が見た「サンギ」は枯れた植物が袋に入れられていたが、
これは実は「ススキ」のようだ。
沖縄では(他の地域でも、あるかもしれない)
「生命力の強い植物はヤナムン(悪霊・魔物)を退治する力がある」
と信じられている。

これを主に「家から持ち出す食べ物(供え物やお土産・弁当など)」に
乗せるのだそうで、そこらへんに生えている植物を
その場で抜いて(大体、奇数本が基本らしい)
その食べ物の上に載せる。のだそうだ。
これで、ヤナムンから「食物の精」を守るのだそうだ。

「サン」に似たようなもので(本当は同じなのかもしれない)
「ゲーン」というものもあるようだ。
この「ゲーン」は、同じくススキの葉を結んだものだ。
主に家から吊るして魔よけにしたりする。
さらに「桑の木」と束ねて家の四隅の地面に刺す。
この「桑の木と、ススキ」の組み合わせになると「柴」(しば)と呼ばれるようだ。
さらに墓を新しく建てた時には、
空き墓の状態の間のお守りとして「サン(ゲーン?)」を墓に置く。など。
目的は同じく「魔よけ」である。

この本を読んでみて分った。
「サン」は、「そこらへんに生えている植物を抜いて、サンにする」ということに
意味があるようだ。
大地に生えていて、生命力のあるものが「魔よけとしては有効」であり
それを抜き取って使うからこそ、効力があると信じられている。
だから、お土産として袋に入れられているものは
どうもしっくり来ない。というわけである。

地面から抜いて結んだり束ねたり。
この植物の束はお守りであり、ヤナムン除けの「呪具」だったのである。
それがお土産で売られていたら…驚きですよねぇ。納得です。

沖縄の魔よけの道具は「シーサー」「石敢当」だけではなかった。
by niraikanai76 | 2006-03-24 21:52 | 沖縄考