唄三線のある日常。        愛器「二つ星小」          (たーちぶしぐゎー)。         


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三線比較~真壁型と南風原型

私は現在、3挺の三線を所有していますが、
記事のネタとして、そのうちの2挺を比較してみようと思いました。

まずは、詳細から…

真壁型…2005年6月に購入。注文制作。
      棹材は「カミゲン」。
      購入以来、一度も皮の破れは無し。
      購入半年後に、棹を塗り替えに出しました。
      皮の張りはそんなに強くないはずですが、音にはそこそこ張りがあって
      気に入っています。
      一番弾いている三線です。

南風原型…2006年8月、三味線店に置いてあったものを購入。
       棹材は「カミゲン」。
       一度、裏の皮が破れ、そのまま使用しています。
       皮の張りは弱く、ボンボンというような、丸い音がします。
       棹は真壁型よりも太く、(というか、トゥーイの幅が広い)
       どっしりした印象を受けます。
       真壁型を購入した三味線店とは違う三味線店にて購入。


三線比較~真壁型と南風原型_f0010549_19425797.jpg


まずは、2挺並べて見ました。
正面から見る分には、あまり変わりはなさそうに見えます。
右が「真壁型」
左が「南風原型」
です。

三線比較~真壁型と南風原型_f0010549_1945180.jpg


天を横から比較してみましょう。
(影が写りこみ、見づらいでしょうか…)
右の「真壁型」の方が、天が後方に大きく湾曲しています。
左の「南風原型」の方は、それほど湾曲していません。
真壁型の方が、天は薄っぺらい印象を受けます。
南風原型のほうが、ぼってりして見えます。

「南風原型」を購入したときに、この天を見て
「真壁型なのでは?」と思うくらい湾曲がきつく見えましたが
当の「真壁型」と比較するとご覧の通りです。

が、「南風原型」の購入時に、三味線店の店主が
「棹を作るときに、南風原の場合は天をまっすぐに(湾曲をほとんど出さずに)
作る人と、真壁のようにある程度天を湾曲させて作る人がいる」

というようなお話しをしてくださいました。

「天をあまりにまっすぐに作ると、久葉ぬ骨型と区別できなくなるし
昔の南風原型の図面を見ても、ある程度は天が湾曲しているんだよ」
とも教えてくださいました。

ここら辺は、好みのが分かれるところでしょうけど
私はこの「天が曲がっていて、結構太い棹の南風原」
が気に入っています。

三線比較~真壁型と南風原型_f0010549_19554023.jpg


続いては、胴の辺りの比較です。
チマグ(棹の、胴に一番近い部分)
の形状が、全然違います。

また、胴の厚さ。
南風原のほうは、真壁型のものよりも
薄い胴が取り付けられています。

真壁型の方が棹も細く
実際に持って演奏すると
南風原よりもコンパクトな感じがするのですが
全体的な見た目ですと、真壁型よりも
南風原型の方が、華奢な心象を受けます。

これには、この「チマグの形状の違い」

「胴の厚さ」
が影響しているのではないかと
勝手に思っています。

横から見ると、南風原のほうが
全然スマートに見えます。

普段、南風原型を弾くことは
めったにありません。
皮の張りが弱い三線が
あまり好きではないのかもしれません。

私は、沖縄本島の民謡を主に練習しています。
ライブや、動画やCDなどの音源でも
「沖縄民謡」は結構、ボンボン鳴るような
「皮の張りが弱いであろう三線」
で演奏されていることが多いような気がするのですが、
私自身は
「ビーン」としっかり張りのある音が出る三線で歌うのが好きなのです。

ただし、音や響きの比較は
同じような皮で同じような張りにして比較しないと
本来の意味での
「その三線が持っているポテンシャル」
のようなものは比べられないのではないかと思います。

ということから考えますと
注文制作にしろ、お店置きの三線にしろ
「これが私の望む三線の音だ!!」
という三線に出会えた人は幸せ者だということです。
棹材も、皮も、ひとつとしてまったく同じものは無いはずなので
そのときに出会った三線が気に入ったならば
「そのとき、自分にぴったりの棹材と皮と胴が組み合わさって
この三線になっている」
ということになるからです。
なんだか、運命的なものを感じますね。
(皮はいずれ破れてしまうかもしれませんが…)

お話しが長くなりましたが
この南風原型、
長いこと、私が懇意にさせていただいている「とぅばらま家」
というお店の「座敷三線」としてお店に置かせていただいていました。

最近、お店から引き上げさせていただいたのですが
約二年ほど、この三線をずっと弾いていてくださったマスターは
少し寂しそうにしていました。

代わりに、私の所有しているもう1挺の三線
「久葉ぬ骨型」
をお店に置かせていただくことにしました。
ということで
「久葉ぬ骨型」は現在、私の手元には無いのですが
機会がありましたら、また比較紹介させていただこうかと思います。
by niraikanai76 | 2010-10-05 20:19 | 唄三線