唄三線のある日常。        愛器「二つ星小」          (たーちぶしぐゎー)。         


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三味線店めぐり⑪銘苅三味線店(玉城村) 上巻 6月20日

<誤算>

宜野湾の上里三味線店を出てすぐに
前のお二人の乗る車(漆畑さん・八重芸のシンイチさん)
と別ルートになりました。
前の車は直進していきます。
一方で、私のレンタカーのカーナビは「左折」の指示です。
漆畑さんとの約束どおりに左折します。
「目的地まで、25km」
カーナビの表示です。

地図も見ずに、行ったことの無いところへ本当にいけるのでしょうか?
私は普段、アナログ派です。カーナビは沖縄に来てから初めて使いました。
初めて車で行く場所へは、いつも地図が助手席にありました。
その地図は、今は助手席にありません。
現代技術の賜物であるカーナビが目の前にあるのに、
いつも側にある地図がないと不安になります。人間って、不思議です。
とりあえず、カーナビを信じます。

車の中に一人です。
今までは妻や漆畑さんが乗っていてくれたので、お話が出来ました。
一人になると…
三線のことばかり考えていました。
「さんしんの松田」さんの真壁は、やっぱり良い音してたなぁ。
仲嶺さんところの知念大工…かっこよかったなぁ。
本部の上原さんの三線…素朴で良い感じだったよなぁ。
上里さんのとこのカミゲンの値段は魅力だよなぁ。
照喜名さんところの、あのカミゲン。納期を待とうか…。

そんなことを考えているうちに、もう南部です。
沖縄自動車道です。
前に、急に見覚えのある車が現れました。
シンイチさんの車です。
インターが近づいていて、カーナビは降りるように指示しています。
前の車は降りる気配がありません。「大丈夫かな?」
私は降りる心積もりでいました。
…と、シンイチさんの車も急に左に寄って出口に向かいます。

出口を出た後、シンイチさんの車は左折。
私の車のカーナビは直進の指示です。
またまた別なルートで車は進みます。
南部ののどかなサトウキビ畑の真ん中の道。
窓を開けると、気持ち良い風が入ってきました。

「こんな綺麗な風景が60年前には焦土にされたのか…」
などと考えながら、走っていると「糸数入口」の標識が出てきました。
もう玉城村です。目的地は近い。

車で走っていると、ポツポツと「銘苅三味線店→」という木で彫られた看板が
2度ほど出てきました。もう、カーナビは無視して看板をあてに走ります。

狭い路地の坂を少し上がると
民家の壁に「銘苅三味線店」の文字が。
あれ、もう着いてしまった。
お二人は…と探しますが、車の気配はありません。
高台から見下ろせるこの場所。不発弾の殻でしょうか、半鐘のように
道端に錆びた鉄の錘型のものがぶら下げられています。

漆畑さんの携帯に、電話してみます。
「え!?もうついたんですか。実は今、我々は完全に迷子です。
30分ほどでつくと思いますので、先に銘苅さんとこへお邪魔していてください。」

<伝説の三線工>

銘苅さん。
私は「いちにの三線」の記事でこの方のことを知りました。
三線工として長く活躍しておられ、今もって現役でいらっしゃる。
さらには、琉球古典音楽界においては、重要指定無形文化財保持者。
胡弓の名手とのこと。
先日、琉球大で三線を見せていただいたときに銘苅さん作の
三味線も、見せていただいていました。
とても美しい形でした。完成された芸術作品のように、気品あふれる形。

漆畑さんの迷子は完全に「想定の範囲外」だったので
私は急にあたふたしてしまった。
琉球古典音楽の大家、さらには伝説の三味線工の元に
埼玉からブラブラやってきた若造がお邪魔する…。

私は当初、ベースを購入するような感じで三線を購入しようとしていた。
要は「ブランドで品定め」というわけだ。
でもこの考えは、三線を購入するときには通用しない。
だからこそ「三味線工として有名だ」と言われている銘苅さんに興味があった。

私は沖縄に来る前、埼玉から沖縄の三味線店に
何軒か電話で問い合わせをしている。
そのときに話の弾んだ何軒かのお店にはこんな質問をしてみた。
「沖縄の三線工で、有名な方というのはいらっしゃるんですか?」

「うん。ワシが一番有名さ~。ガハハ」
という面白い店主も2名ほどいらしたが
「銘苅さんという人が、玉城でやっているけどね。」
という答えが何軒か返ってきた。
「昔から有名だった」
「三線工には音を上手に作る人、形を上手に作る人といるわけだけれども…
銘苅さんの三線は形がとても綺麗だよ。あんたも沖縄にきたら見たほうがいいよ」
こんなことまで教えてくれた三味線店主もいらしたほどだ。

私が三味線を買おうとしている。
そういうことは抜きにして、とりあえず銘苅さんにお会いしてみたかった。
運がよければ、銘苅さんの作った三線も見てみたかったのだ。

銘苅三味線店は、銘苅さんの邸宅の一角に工房がある。
だから、民家の正面から入っていくような形になる。

気後れして、銘苅さんの自宅の前でオロオロしていた。
民家の敷地内が見渡せる。これでは完全に「不審者」である。
今まで訪問してきた三味線店は、一応どこも店舗としての形を持った
ところばかりであったが、ここは完全に民家。回りも住宅地である。
「入りづらい!!」

そのとき、庭で作業していた一人のおじさんが目に入った。
Tシャツを着ていて筋肉質のいかにも健康そうな方だった。
「すみません。三味線のお話をうかがいに来たのですが。」
「あ~。こっちだよ」
庭の右側にある「離れ」のような建物に案内された。

私はてっきり、中に三味線工の銘苅さんがいらっしゃるもの。
とばかり思っていたが、中にはだれもいない。

「あれ、お留守ですか?」
「いや、三味線ちゅくてるのは、わしだよ」(爆笑)
!!!
「すみません~。分からなかったです。」
「ははは。こっちへ」
と作業場の中を案内してくださった。

                                 下巻へ続く
by niraikanai76 | 2005-12-17 20:55 | 沖縄新婚旅行(三線探しの旅)