唄三線のある日常。        愛器「二つ星小」          (たーちぶしぐゎー)。         


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沖縄の旅・アブチラガマと轟の壕―国内が戦場になったとき
石原 昌家 / 集英社
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やっと、読了できた一冊である。
通常、私はこの手の「新書」は一日、ないし2日くらいで読了してしまう。
この本に関しては、読み始めから読了まで10日かかった。
内容が、悲惨すぎて(いや「悲惨」という使い古された言葉自体を使うのもはばかられるが)
とてもじゃないが、一気に読み進めることなどできないのだ。

アブチラガマは、現在の南城市(玉城村)の糸数に今でもある。
別名「糸数壕」。
轟の壕は、糸満市に。同じく今でも、残っている。土地の呼び名は「カーブヤーガマ」。
「カーブヤー」とは「コウモリ」のことだそうで「ガマ」とは「壕」のことである。

この二つの壕は「沖縄修学旅行・平和教育」で訪れる修学旅行生も多いと聞く。
沖縄には、この手の壕は数多く点在しているが
その多くの壕の中でも、2つの壕に焦点を絞り
「軍官民共生共死」について書かれた本は少ないのではないか。

著者は「沖縄国際大学」の教授である。
ゼミの学生とともに、長年に渡り壕の調査や
「沖縄戦・壕生活体験者」への取材により
この本を完成させたのだそうだ。
本の中には、綴じ込みで壕の内部の見取り図まで付いている。

これは違う本で読んだのだと記憶しているが
「平時は殺人は罪になるが、
戦時下ではより多くの殺人を犯したものが勲章をもらったり
英雄視されたりする。異常なんだよ、戦争は」
という言葉を聞いたことがある。

現代日本の安全保障を考えるとき
現在の日本を取り巻く事柄だけで語られることが多い。
防衛費・安保・ガイドライン…。

でも、この本を読むと
「理屈抜き」
というのが良く分かる。
「戦争は、異常」なのだ。
「やってしまった時点で、国は滅ぶ」のだ。
時代が変わっても、これだけは変わらないのだろう。

この本を読み終えたとき、
「お前達、そんなことをしていて良いのか。
何の為の教訓だったのだ」
と、ほの暗く湿った壕の中から
数え切れない恫喝の言葉が、
今の日本に投げかけられているような気がした。
by niraikanai76 | 2006-02-08 01:45 | 沖縄考