唄三線のある日常。        愛器「二つ星小」          (たーちぶしぐゎー)。         


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三味線店めぐり⑫三味線乃店 親泊宗康 6月20日

<与那原アゲイン>

銘苅さんの所を出て、次は那覇の仲嶺三味線店に向かうべく
カーナビをセットします。このカーナビ、
ずっと「故障している」と思っていたのですが
どうやらギアを「P」に入れてサイドブレーキをかけないとセットできないようです。
そういえば、レンタカーを借りるときにそんな話をされたような…。
とにかく、そのことに気づいたのは随分後になってからでした。

那覇に向かう前に、昼食です。
与那原のjef、アゲイン。
やっぱり、三味線店めぐりの食事はハンバーガーで決まりでしょう。

食事をしながらも三線の話は止まりません。
「あそこで交渉してみて、だめなら…こちらの店で。と思うのですが」
と漆畑さんに話してみます。
が、漆畑さんは前述したように「ここで買ったほうが良いです」というような
斡旋や特定のお店の推奨などはされない方です。

「今挙げられた三味線店。どこも魅力的だと思います。
三味線を買うときに…三味線店を回らなさ過ぎるのもいけませんし
回りすぎてもかえって迷ってしまう場合もあるでしょう。
とりあえず、今日でなくとも…明日、いや、
埼玉に帰られてから、冷静に判断されてもいいんじゃないでしょうか」

漆畑さんからこんな返事が返ってきました。
私はいまだに判断がつかず、人に頼ろうとしています。
だめです。自分の三味線は自分で探さなければ…。
漆畑さんは、この後仲嶺さんのところに同行していただいて
夕方の便で大阪に戻られる予定です。
私は急に不安になってきました。

<偶然の探訪>

那覇市の真和志地区を車は走ります。
「あっ!あそこ、親泊三味線店です。
行ってみますか?」
漆畑さんがそう言いました。
「あ、本当ですね。行ってみましょう」
坂の上のお店の前の交差点の左側、信号で止まったら
そこはちょうどお店の駐車場になっていました。

車を止めてお店へ。
店主らしき方は板敷きの作業場に座り、黒木の棹を削っていました。
店主は無口でした。
お店にいらした女性の方が対応してくださいます。
この女性、店主の娘さんのようです。
「この並んでいる三味線。弾かせて頂いていいですか?」
女性は「はい、いいですよ」と笑顔です。

並んでいる三味線。「カマゴン」「カミゲン」など、
棹の木の名前が書いてあります。
値札もちゃんとついていました。
私の予算で買えるものから、完全に予算オーバーなものまで
色々弾いてみます。

私が気に入った音を出してくれたのは
充分予算内の三味線と完全に予算オーバーの三味線の2つです。
形の面でも、満足できるものでした。
困ってしまいました。
せっかく、完成品を弾けるチャンスだったのに
こういう極端なことになってしまうとは…。

お礼を言って三線を棚に戻します。
「困ったなぁ…」と店内を改めて見回してみると…。
店主の背中側の壁の上部には一面に棹が掛けてあります。
お店に入ってすぐ完成品の並んだ棚に目を奪われたので
気づかなかったのですが、結構な量の棹があります。
「いや、待てよ…全部の棹が売約済みとか
修理依頼品だったりして…」

そんなことを一瞬考えましたが
意を決して女性に尋ねてみます。
「あそこに掛かっている棹は、全部お客さんのものですか?」
「いえ、修理のものもありますけど、販売のもありますよ。」
「カミゲンの棹を探しているんですが、この予算のものはありますかね?」
「ちょっと待ってくださいね。お父さんに聞いてみます。」

娘さんは店主の側に行き、私の条件を店主に伝えてくれました。
店主は腰を上げ、壁面を見上げています。私は「どんな棹が出てくるか」
と期待をこめて店主の背中を見つめます。

一本の棹を店主が手にします。
近くにあったクロスで棹を拭き、娘さんに手渡します。
そしてまた一本。手に取り、同じように娘さんに手渡します。

その棹が私の手に渡されました。
スンチー塗りのきれいな棹です。
所々にシラタが入って絶妙な模様になっていました。
真っ黒なのもカッコいいですが、こういう模様が入っていると
自分の三味線は一発で分かるでしょうね。

真壁型は真壁型。
それはどこの三味線店で見ても変わらないわけですが
こうやって色んな三味線店を見てみると、同じ真壁型でも
三味線店ごとの特徴が形に出てくるのだと分かります。
それに、木目やシラタの入り具合でも随分印象が変わります。
型で選ぶというのも、難しいものです。

「この棹を、三線にしていただくといつ頃出来上がりますか?」
「もう皮の張ってある胴がありますから、
それをつければ今日中に出来上がりますよ。お急ぎですか?」

私は棹を手にしながら、かなり心が揺れ動いているのを
自分自身で感じていました。
このお店なら、完成品が置いてあるわけですから
棹を選んでから完成品を指定して「こんな音にして欲しいのですが」
といった交渉も出来るかもしれません。

この時、本当に決めてしまおうとまで思ったのですが
自分自身、まだ早いような気がしていました。

とりあえず、ここなら三味線がすぐ手に入れられることはわかった。
「また明日来てもいいんだ」
一度冷静になり、お礼を言ってお店の名刺を頂き
予定通りに仲嶺三味線店にも行ってみることにします。

<むるわからん>

安里に向かう車中、私は無口になりました。
完全に三味線購入の迷路に迷い込んだようです。
でも、どこかで線引きをしないと、三線は買えません。
漆畑さんはこの後、機上の人となります。
三味線店と三味線を決めるのはこの私です。

「来月の下旬に…」
私は漆畑さんに話してみました。
いや、自分自身に話しかけていたのかも知れません。

「結婚披露パーティーを開く予定です。
そこでバンドの演奏を予定しているのですが
是非、結婚記念三線のデビューをその場でさせたいのです。
だから、1ヶ月以内に三線が出来上がってくれるのが理想なんです。
でも、そのことにこだわって勢いあまって選んだ結果
後で後悔するようなことはしたくないんです。
理想的な三線が3ヶ月で出来るなら、そのことにはこだわりません。
半年でも待てるでしょう。いや、私は待ちます。」

三味線店めぐりは、もうおしまいに近づいています。

「もう、自分の心のままに」
わずかな期間ですが、これだけの三味線店を見てきた
自信のようなものと、自分の三線の形を見る目だけを
信じるしかありません。

車は曇天の中、那覇市街を目指します。
by niraikanai76 | 2005-12-19 19:41 | 沖縄新婚旅行(三線探しの旅)