唄三線のある日常。        愛器「二つ星小」          (たーちぶしぐゎー)。         


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琉球大学八重山芸能研究会の部室 6月18日

ここからのお話は漆畑さんのサイト

いちにの三線:見聞録6月18日

にも記事を掲載していただいておりますので、
そちらも見ていただけると「それぞれの視点」でお楽しみいただけると思います。

車は空港を出て一路琉球大学を目指します。
ものすごい渋滞で、空港から2時間近くかかりました。
普段なら数十分の距離と聞き、驚きです。
でもその間、仲嶺三味線店でのお話や
それはもういろんなお話をさせていただいたので
渋滞も苦ではありません。

ところで、なぜ琉球大学か?

漆畑さんは、私の結婚記念三線の購入に同行してくださいました。
ですが、ご本人のポリシーとして
「特定の三味線店の紹介・斡旋」ということはされていません。
あくまでも、三味線店と三味線自体を選ぶのは私本人です。

結婚記念三線を購入する私に同行するといっても、
ご本人はいつものように(私はサイトだけでしか様子を知りませんが)
さまざまな三味線店の店主とお話されて
楽しんでいらっしゃるご様子でした。

琉球大学八重山芸能研究会。
その名の通り八重山の芸能を研究していらっしゃるサークルで、
合宿や取材で実際に八重山の島々に足を運び、
島の方々から芸能を学んで発表会をされているそうです。
漆畑さんはそのサークルのOBでいらっしゃいます。

今回の三味線探しの私の予算は、高級品と中級品の
ちょうど中間くらいです。
実際に三味線店に行ってみると分かりますが、
荒削りされた材木はたくさんおいてあっても完成品を多く置いてあるお店は少ないのです。

そういう状況の中で、実際に完成された三味線を見て検討しては…。
というご配慮から三線を使って活動されている母校のサークルに連れて行ってくれました。
琉球大学に到着。
驚きです、大学のキャンパスの中に信号があります。
「学部ごとに駐車場もあるんですよ」と漆畑さん。
さらに驚きです。

三線事例検討会

部室ではシンイチさんという漆畑さんの後輩の方が三線を準備して
待っていてくださいました。
漆畑さん・後輩の方3名・私達夫婦と計六名で何挺かの三味線を囲みます。

「これは江戸与那型です」
「普通の与那型です」
「これは真壁型ですが、塗りがされていません」
「こちらの三味線よりこちらのほうが張りが強いです」

次から次へと三味線を手渡してくださいました。
私は事前に三線の型について色々勉強して、
「個性的な型を手に入れたい」と考えていました。
でも、どれも個性的で面白いです。
こうやって職人さんがきちんと作った三線ならば、真壁型だけでも
職人さんの数だけ、いろんな個性があります。
「真壁と言えば、自分の持っている安価な三線の型」
としか認識していなかった私は、沖縄に来ていろんな職人さんの真壁型を見て
それも購入対象のうちと考えるようになりました。

その順に音を出してみますが、何せ黒木の棹・蛇皮一枚張りの「本格的三線」を
弾くこと自体が初めてに近い私の状態です。
どれも良い音だと感じました。
でも、この「どれも良い音だ」というのがくせものです。

わたしは今まで安価な「花梨材の棹・胴は二重張り」の三線を使用してきました。
この今まで使っていた三線に比べると、ここに並べられている三線は
「違う楽器なんじゃないか?」と思ってしまうほど、音の響きが大きいですし
音色もぜんぜん違います。

その何挺かの三味線は「私の三味線より良く響く・良い音だ」とは感じても
「じゃあ、その中でどれが一番自分の好みの三味線か?」
となると、「正直どれも良い」となってしまうのです。

変な例え話になりますが
「極限まで飢えている人」に
・牛丼
・天丼
・カツ丼
・うな丼
「さぁ、どれが良いですか」
と言ったら、きっとこの時の私と同じように「どれも良い」となるんじゃないかと思います。
もしくは「一番早く出来るもので」となるかもしれません。
「どれもクドイからいらない」とか「おれ、うなぎ嫌いだし」
という冗談は抜きです。

「食うに困らないくらい食事をしている」
という状態の人は自分の好みやその時の気分を優先させることが出来るでしょう。
でも飢餓状態にある人は「食べ物ならどれでも良い」となると思うのです。

このときの私は、この「極限まで飢えている人」近い状態でした。
何せ、今まで安価な三味線を2年近く弾いてきていながら
上等な三線を弾く機会がほとんどありませんでした。
しかも、それでいながら「上等なのがほしい!!」とずっと思っていたのです。
微かに参考程度でCDの民謡歌手の三線を聴いていたくらいのものです。

そんな状態の私の目の前に、いきなり上等な三線が数挺。
感覚が麻痺してしまいました。

「これはまずい。ちゃんと冷静に聴き分けないと、吟味して三味線を買えないぞ」
と思いました。
漆畑さんが見せてくださった三味線を一音一音、音を確かめながら弾いてみます。
不思議なものでしばらくそうしていくと、だんだん三味線ごとの音の個性や
棹を握った感覚の違いなどが明確になってくるのです。

その中で私が音・形ともに気に入ったのが、普通の与那城型でした。

漆畑さんは
「与那城ですか。お店にはあまり置いて
いないかもしれませんので注文制作になるかもしれませんね。
一応、与那城希望ということでお店を回りましょうか。
見ていくうちにまた考えが変るかもしれませんし」
とおっしゃった。

三線を片付ける前に漆畑さんと現役の後輩の方、計四名で
民謡を演奏してくださいました。
「高那節」
生で聴く初めての八重山民謡。
皆さん実力者ですので、私達夫婦はとても楽しませていただきました。
この「高那節」
西表島の高那集落あたりの民謡で「ざんざぶろう」なんて呼ばれている…
というような知識は、旅行から帰ってきてから調べて知りました。

ずいぶん楽しませていただいたうえに
上等な三線に対する免疫(?)もつけられて
私にはとても貴重な時間でした。

この後、宜野湾のステーキハウスで
六人で食事を楽しませていただき、高速を使わずに
(このときは宜野湾から恩納村まではすぐいけると思っていました…遠かったですね。)
恩納村まで帰って予定終了と相成りました。

この時お邪魔した「八重芸さんの部室」
つい先日、建て替えのために取り壊されて今はもう無いそうです。
現役の方・OBの方々その他関係者など、この部室に思い出のある方は
悲しいお気持ちでしょうね。
私も、この楽しかった思い出の地にまた再訪させていただこうと考えていたので
この話を知ったときには、少し悲しかったです。

八重芸と関係者の皆さん
これからは新しい部室での今後益々のご活躍を期待しております。
by niraikanai76 | 2005-12-09 13:42 | 沖縄新婚旅行(三線探しの旅)